国士舘大学日本拳法部写真

全日本初優勝の思い出(第三十三代 上田俊哉氏)

日本拳法を始めたきっかけを教えてください。また、入学前にスポーツをしていましたか。

鶴川校舎での先輩方の勧誘をきっかけに入部しました。日本拳法は大学に入学してから始めました。それまで格闘技は未経験でしたが、格闘技に興味があったことと、東京の大学に入学したのを機に新しいことをやってみようと思い入部しました。高校生の頃は野球をしていました。

現役当時の部の状況などをお聞かせ下さい(戦績など)。

私が幹部(副将)の時の戦績は、東日本リーグ戦3位、全国選抜ベスト8、東日本選手権優勝、全日本選手権優勝です。

全日本優勝の話になりますが、幹部になって東日本リーグ戦が3位、全国選抜がベスト8、東日本選手権が優勝とチームの調子が尻上がりによくなってきました。チームの雰囲気は、どうでしたか。手応えはありましたか。

前期の成績が東日本リーグ戦3位、全国選抜ベスト8と満足な結果を残せなかったので、夏合宿はOBの先輩方からのご指導をいただきながら、厳しい練習をしました。しかし、夏合宿が終わり後期の活動に入って、矢野杯個人戦で国士舘の選手が誰も入賞しなかったことを機に、部員個々の練習に取り組む姿勢が変わってきたと思います。それまでも常に厳しさをもって練習してきたつもりでしたが、いつの間にか緩んできていたので、再び褌を締め直すという気持ちで練習に取り組みました。練習の内容はもちろんのこと、上下関係や礼儀の面についても見直して練習してきました。特に練習の内容については、防具練習の量を増やして技術面、体力面の強化に努めました。そうした中で東日本選手権を制したことにより、全日本も上位の成績を残せるという自信がつき、より一層部員全員が高いモチベーションで練習に取り組んだことで、一丸となって全日本の大会に望めたと思います。上田俊哉2

全日本の初戦から決勝までの詳しいお話をお聞かせください。

シードだったので初戦は2回戦からでした。対戦校は大阪歯科大で6-1で圧勝だったと思います。ただ初戦が圧勝だったので気が緩んだのか、次の桃山学院大との試合では先に相手に3勝され、窮地に立たされたところで4勝し、なんとか勝ち進めたと思います。試合後、試合を観戦されていたOBの先輩方からの檄により気を引き締め直し、次の立命館大戦、そして準決勝の関西大戦も勝利を収めることができました。決勝は同じ関東の中央大との対戦でした。たしかこの試合は大将戦まで勝敗を持ち越すような競った試合だったと思います。その大将戦もお互い1-1の緊迫した展開となり、代表者決定戦まで持ち越すかと思われた時に、大将大北の面突きが決まり、初の全日本優勝を収めることができました。

優勝しての気持ちはいかがでしたか。

「嬉しい」の一言に尽きます。特に前期の結果が振るわなかっただけに、その後の努力が報われたということで、その喜びは大きなものでした。上田俊哉

あの頃に戻りたいですか。心に残る思い出、エピソードがありましたら教えてください。

やはり全日本の優勝が一番心に残る思い出です。その年の後期の締稽古の後、優勝を祝してプロ野球のように部員全員でビールかけをしました。先輩後輩関係なく無礼講でビールをかけまくり、みんなで優勝を祝うことができ、非常に楽しい時間を過ごすことができました。ただ、一つ心残りなのは全日本の大会前に練習でケガをしてしまい、回復が大会に間に合わず、試合に出られなかったことです。やはり試合に出て優勝を味わいたかったです。

現在はどんなお仕事をされていますか。また、拳法とは関わっていますか。

現在は新潟市秋葉区役所総務課に勤務し、防災や防犯、交通安全に関する仕事をしています。大学卒業後、自分の出身地(新潟県中蒲原郡小須戸町)の町役場に就職しましたが、市町村合併により現在の職場に勤務しています。拳法とは今も関わっています。少人数ながら経験者や初心者の方たちと新潟市秋葉区で週2回練習しています。ただ、全員社会人なので、仕事や家庭の事情で全員揃って練習する機会は少ないですが、全員向上心を持って練習に取り組んでいます。

部に対する想い、現役学生に対する想い、意見などありましたらお願いします。

現状より上に進んでいくには練習しかないのは当然ですが、ただいつもと同じ内容をこなしているだけでは何も変わらないと思います。上を目指すには練習の内容、練習量など今まで以上に高いレベルのものに変えていく必要があると思います。今までやってきたことを変えることは大変なことですが、それを乗り越えた時に初めていい結果が見えてくると思います。あと、練習では常に目標を持って取り組むことです。ただ漠然と基本練習や防具練習をこなしているだけでは現状より強くなることは難しいでしょう。そこで、日々の練習の中で自分なりの目標を立てて練習に取り組むことで、向上心を持って練習に取り組むことができると思います。目標は自分の弱点の克服でも長所を伸ばすことでも、さらには新しい技の習得でもなんでもいいと思います。弱点も得意技も人によってみんな違うのですから。こうした事をチーム全体で一人ひとりが意識して取り組むことで、さらに上位を進めるような強いチームになることができると思います。そして、日々の練習を無駄にせず、少しずつでもいいので向上心を持って練習に取り組んでいってもらいたいと思います。そうすれば自ずと結果はついてくるはずです。がんばってください。

(2008年7月27日)

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